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相互リンクの記念にと『紅桜日和』の優月様から素敵な小説を頂きました!
私からのリクは箱館編で大鳥さん絡み(笑)
ホントこの設定が大好物なんで。
優月様!ありがとうございます~☆

頂いた小説は右下からどうぞ~。





「おい、なんだ…この得体の知れない物の山は…」
土方はため息をつく。
数分前に土方の部屋へと遊びに…いや、仕事に来たのは大鳥圭介だ。
「やだなあ~得体の知れないなんて。」
「何だって聞いてんだ。」
「異国の物だよ。」
「なんでそんなモン持ってくんだよ。」
「食べ物もあるから是非雪村君に食べて貰いたくて。」
「食べ物…ですか?」
応接用の椅子に三人は座り、その前の机には異国の食べ物から飲み物、その他にも色々なものが
ドッサリと乗っている。
「冗談じゃねえ!!そんな得体の知れん食いモンを千鶴に食わせられるか!!」
「食べてみたいよね?雪村君。」
「え、えっと…」
「甘いのもあるよ?」
「甘いものですか!?」
大鳥の一言に千鶴の頬が緩む。
「ちょ、ちょっと気になります…」
「あぁ?お前本気か!?あんなわけわかんねぇモン。」
「大鳥さんが大丈夫っておっしゃるのなら、大丈夫かと…」
「そうそう。」
「駄目ですか?土方さん…」
しょんぼりと肩を落とす千鶴にさすがの土方も少し可哀想な気がしてくる。
「あーあ。雪村君が泣いちゃうよ?土方君?」
「ああもう!!わかったよ!!好きなだけ食えばいいだろ!!」
土方がそう叫ぶと千鶴は顔をパァっと輝かせる。
「ありがとうございます!!土方さん!!」
土方はしまった!と思ったがもう遅い。

「これなんかどうかな。雪村君?」
「これは何というものですか?」
「これはね…じゅーすというものだよ。」
「じゅーす?」
「うん。果物とかのしぼり汁で作るんだって。」
それから結構な時間が経つ。仕事をする土方の近くで大鳥と千鶴は
ずっと色々なものを食べたり飲んだりしている。
「これもですか?」
そう言って千鶴が指をさしたのは瓶に入った透明な水。
「うん。確か…らむねとか言ったかな?結構前から日本に伝わってたみたいだけど。」
「そうなんですか?聞いたことがありません…」
「飲むことができたのはお偉いさんばっかりだったみたいだからね。実は僕も飲んだことがないんだ。」
「それじゃあ一緒に飲みましょうよ!土方さんもどうですか?」
「いや、俺はいい。」
「そうですか。」
そう言いながら千鶴は以前大鳥にもらったコップというものにらむねを注ぎはじめる。
「どうぞ。」
そう言って大鳥の前と自分の前にそのコップを置いた千鶴は土方の顔色をうかがう。
大鳥はいいからいいからと千鶴に
「せーので飲むよ?」
などと言っている。
千鶴はこっくりと頷き大鳥の合図を待つ。
「せーの!」
大鳥の合図で二人はごくごくとそれを一気に喉へと流し込んだ。
「うっ!?けほっ!けほっ!」
「千鶴!?」
大鳥は難無くと飲み込んだが、千鶴はむせてしまい驚いた土方が仕事の手を止め千鶴に駆け寄る。
「けほ、けほっ…けほっ!!」
土方が千鶴の背中をさすってやってもなかなか咳は止まらない。
「おい、大鳥さん。本当に大丈夫なんだよなあ?これ。」
「いやぁなんかね~お酒に近い…かな?」
「んだと!?おい、千鶴が酒を飲めねぇのはあんたも知ってるよな?」
「うん。そうだったね…」
「どうすんだ!!これ!」
土方が視線を千鶴にやると千鶴はまだ咳き込んでいる。
「いや、いくら雪村君でも…お酒とはちょっと違うから…」
大鳥も視線を向けるとちょうど咳が止まった千鶴がはぁはぁと苦しそうにしている。
「大丈夫か?千鶴。」
「ううぅぅ~…頭が痛くてぇ、気持ち悪いですぅ…」
「ごめんね雪村君。」
「いいですよぉ私が言ったんだしぃ、大鳥さんは悪くないですよぉ~」
土方と大鳥は顔を見合わせる。
「おい、千鶴?」
「なんですかぁ~土方さんん?」
「お前、酔ってんだろ…」
「酔ってないですよぉ?」
「その喋り方でか?」
「はいぃ♪」
「酒じゃねえくせに…マジかよ…」
土方は溜め息をつき大鳥を見る。
「大鳥さん。」
「ん?なんだい?」
「なんだい?じゃねぇ!!どうすんだコイツ!!」
「僕がお持ち帰りしようか?」
「させるか!!」
「お二人ともぉ何のお話ですかぁ?」
「なんでもねえ!!」
「むふふふふ♪」
土方がピタリと動きを止める。
「おい。千鶴が変に笑い始めたが?」
「ははは…じゃあ!あとは任せるよ土方君!!」
そう言って大鳥は素早く部屋を出て行く。
「おい!待て!!おいこら!!」
「むふふふふふ…土方さん~逃げられませんよぉ♪」
「おい…千鶴?いや、近づいてくんな。怖えぇって。」
じりじりと近づいてくる千鶴。素早く交わす土方。
「むふふふ…」
「いや、本当に怖えーから!!」
「逃がしませんよぉ~」
「いーかげんにしろ!!」
こうして二人の追いかけっこが始まった。
その追いかけっこは千鶴が眠るまで続き、土方は仕事もせずに一日が終わった。
「大鳥さんが持ってくるモンは信用しねぇ…」
そして土方は誓った。
得体の知れないものは受け入れない。
そして明日は一発あいつをぶん殴る…と。





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