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200,000HITありがとうございます!!
開設した当初は、本当にこんな大きな数字を頂けるとは考えもしていなかったので本当に驚きで一杯です。
これも足を運んで下さる皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
まだまだ頑張りますので、お暇な時にでもお立ち寄り下さると幸せです。
お礼小説は考えているのですが、何せ…その…100,000HITお礼企画が終了しておりませんで…。
まずはそちらからきちんとこなしていきたいと思っております。
こんなサイトではありますが、これからも宜しくお願い致します。
そして今回の更新分はお久しぶり&お待たせしてしまいましたの千鶴ちゃんです。
千鶴ちゃんは自分でも驚いたのですが、かなり書いていなかった様で…。
『ふぅ、書き上がった』と安堵したのもつかの間。
読み返してふと気付く。
私は…千鶴ちゃんを書いたんだよ…?と。
書き上げるまで気付かなかった私もある意味お馬鹿通り越してすごいんじゃね?と思いましたが…。
『ち…千鶴ちゃんなのに千鶴ちゃんが普通にしゃべっとる~~~(涙)』
そんなわけで、やりすぎだよねこの舌っ足らず、な話し方に打ち直すのに意外と時間がかかってしまいました…。
そんなお久しぶりな千鶴ちゃんは右下からどうぞ。
「はっはっはっ!いや、声は聞こえているのになかなか部屋の方に来んからどうしたのかと思っていたが」
近藤が自分の前に並んで座っている二人を見ながら豪快に笑って言った。
彼の前に居るその二人、沖田と千鶴は対照的な表情をしてい。
「だって近藤さん。千鶴ちゃんが良い子で可愛くて我慢できなかったんです」
仕方ないでしょう?と笑顔で言う沖田に対し、
「はにゃちてくやしゃいっちぇもうちあげまちた」
ほんのり桜色のほっぺを小さく膨らませた千鶴が唇を尖らせる。
「すまんなぁ千鶴君。だが、総司の気持ちも分からんでもないな」
「ですよね」
「おふちゃいちょも…」
「ほらほら、それよりも近藤さんに渡す物とか色々あるんじゃないの?」
「あ…」
「ね?」
笑顔の沖田に多分何を言っても無駄なんだろうなと悟り、千鶴は改めて近藤の方に向かう。
「おあじゅかいちまちたきんしゅちょ、たのまえちぇまちたおまんじゅうでしゅ」
「何か気に入ったものは買えたかね?」
「…しょえが…」
「うん?」
「まいをかっちぇいたやこうとひちやしゃんをたじゅねたのでしゅけど。まいはいちゃらいちぇちまいまちた」
「…いちゃら…ああ、頂いた!そうか、ならば今度俺からも礼を言っておこう」
「おねがいちましゅ」
近藤に預かっていた金子と頼まれものの饅頭を渡し、これが頂いた鞠ですと赤いそれを差し出して見せた。
「あいじゅはんちぇいのまえでおとちてちまっちぇ…しゅこちよごちてちまっちゃんでしゅ…」
「ああ、そういえば先に戻ってきた総司と平助に聞いたのだが、危ない目に合わせてしまったそうだね。怪我とかしていないかい?」
「わたちはだいじょおぶでしゅ」
「君が無事ならばそれで良い」
「こんどぉしゃん」
「それに、鞠を頂いたという事ならばこれも渡しやすいな」
近藤の言葉に千鶴は首を傾げる。
着物の袂に手を入れ中に忍ばせていた物を千鶴の前に差し出す。
それは桃色の巾着袋で、何かがぎっしり入っている様だ。
「先ほど所用で外に出てね。つい、な」
近藤から渡されたそれを両手で受け取った千鶴は、それと近藤の顔を何度も往復して見詰める。
「こえは?」
「開いて見てごらん」
促され、巾着の口を縛っている紐を解く。
「…うわぁあ!」
「うわ、沢山ある」
千鶴と共に中身を覗いた沖田までもが驚き、そして笑顔に変わった。
「近藤さんってば、親馬鹿さんになってますね」
「いやぁ」
照れるように頭を掻く近藤が中身をひとつ摘み上げ、
「美しいだろう?」
そう言った。
「見事なギヤマン細工のおはじきですね。って言うか、近藤さん千鶴ちゃんに甘過ぎですよ。気持ちは分かりますけど」
「いやな。普段の彼女の生活の事を思うとこういった事でもない限り大っぴらに可愛がれんだろう。千鶴君にとっては迷惑な事態かもしれんが、俺からすれば日頃の侘びと感謝を形で少しでも返せる良い機会のようでな」
「そうですね。折角の機会ですから構い倒したいんですよね」
「………総司、それはちと意味合いが違わんか?」
「そうですか?だって人前で可愛い可愛いって言っても問題ないんですよ。ぎゅっとしてもいいんですよ?これはもう山南さんに頼んで薬を量産してもらうしか」
「こらこら」
「って千鶴ちゃん、何時まで呆けてるの」
「あにょ…こえ、ぎやまんじゃいくっちぇ…」
巾着袋の中を覗いたまま固まっていた千鶴が漸く顔を上げる。
「い、いくやなんえもこんなこぉかなものいたやけましぇん!」
「なんと」
「千鶴ちゃんそれ本気で言ってるの?」
「やってっ」
「確かに少しばかり値の張るものではあったが…君が喜んでくれるのではないかと思ったのだが…」
「うっ…で、でしゅけど」
「ちょっと千鶴ちゃん、君、近藤さんからの贈り物を断るなんていい度胸してるね」
「おきっおきたしゃんおちちゅいちぇかんがえちぇくやしゃいっ。ぎ、ぎやまんじゃいくでしゅよ!ものしゅごーくこぉかなっ」
「良かれと思ってした事だったのだが、君を困らせてしまったとは…。すまん」
近藤が両手を膝に付き、千鶴に向けて頭を下げた。
「えっええぇぇぇっっ!?」
驚き慌てふためいたのはもちろん千鶴だ。
沖田の視線が怖い。
おかしい。
何故だろう…。
(私、何だか物凄く悪い事をしているみたい)
目の前にはしゅんと落ち込んだかのような近藤。
隣りには何だか冷気さえ漂わせているかのような沖田。
(……土方さん…何だか貴方の心労を少し理解した気がします…)
「あ…あにょ…」
ここで要らないと更に突っぱねたら、命はないのだろう。
(おはじきで命の危機を感じるなんて…)
「こえ、こんどぉしゃんがわたちのためにえやんでくやしゃったのでしゅよね?」
小さく首を傾げた千鶴が上目遣いで尋ねる。
「透き通った様が君の瞳のようで、迷う事もなかったのだが」
「おはじき、いたやきましゅ」
「本当かね?貰ってくれるか!」
「ひとちゅおねがいちゅきでもよよちいでしゅか?」
「君からのお願いとは!俺で叶える事が出来るのであれば何なりと言ってくれ」
「おきたしゃんもでしゅ」
「え、僕も?」
「あい」
「別に、良いけど?」
さっきまでの雰囲気はどこへやら。
「で?」
「お願いとは?」
千鶴からのお願いがどんなものなのかと二人して彼女を見下ろす。
「こにょおはじきでいっちょにあしょんでくやしゃい」
「……………それがお願い?」
「あい。おきたしゃんはごごかやおやしゅみちょおききちまちた。しょえでもなにかあえばおちごちょしゃえゆでしょう?」
「ん~…まぁ場合にもよるけど。………特に今日は」
最後の辺りは千鶴に聞こえない程度の声量でポツリと漏らす。
「こんどうしゃんもまやおちごとがあゆのでしょうけれど」
「まぁそれなりにだが」
「でしゅかやこえはわたちかやのおねがいで、わがままでしゅ」
「「我侭?」」
千鶴の言葉に近藤と沖田が顔を見合わせる。
「ひじかたしゃんがおっちゃいまちた。きょおくやいはたのちめちょ。あまえてもいいちわがままいっちぇもいい、このしゅがちゃをぶきにまんきちゅしりょと」
「子供の姿を満喫しろって土方さん言ったの」
「あい」
「甘えても我侭言ってもいいって?」
「あい。でしゅかやおふちゃいへ、わたちかやのわがままでしゅ。ひゆげまでわたちとこのおはじきであしょんでくやしゃい」
おはじきの入った巾着袋を抱きしめた千鶴が笑顔で二人に【お願い】という【我侭】を言う。
千鶴からすれば二人の時間を縛るのだから十分なほどの我侭なのだが、二人からすればこんなにも可愛らしい我侭は聞いたことがない。
「あい、分かった。その我侭この近藤勇、全力を持って聞き遂げよう」
「こんどぉしゃん!」
「いくら女の子の遊びだからって手加減はしないよ」
「のじょむとこよでしゅおきたしゃん!」
まずやり方から説明してね、という沖田に千鶴は大きく頷きひとつひとつ説明していく。
畳の上におはじきを広げ、大人二人と幼女一人が真剣におはじきを弾く姿はなかなか見られる物ではないだろう。
その大人2人が新選組局長と一番組組長なのだからなおさらだ。
「あ、強すぎちゃったね」
「ちゅぎはわたちのばんでしゅ」
「むむっ。些か拙いな。このままでは俺が最下位か」
「近藤さん相手でも勝負は勝負ですから、どんどん攻めますよ」
「望むところよ」
暫くして。
食事の準備が整った事を告げに着た斎藤が目にしたものは、
「千鶴ちゃんっちょっと勝ち逃げなんて許さないよ!もう一回」
「ちかたないでしゅねぇ」
「いかん、このままでは惨敗だ。千鶴君もう一回だもう一回!」
小さな娘よりも大人二人がおはじきに熱中していた姿だった。
その後。
呼びに行った筈の斎藤があまりにも戻って来ないので、様子を見にきた井上が呆れた様に白熱した試合に止めをかける羽目になる。
ちなみに、斎藤は千鶴の隣りに鎮座し一緒になっておはじき大会を真剣に見詰めていた。
続く