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【和花】 なごみばなと読んで頂けると嬉しいです。 乙女ゲーム系二次小説オンリーサイトです。
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ご心配をおかけしました。
月夜野、復活させて頂きます。
沢山の方にご心配をおかけしてしまい申し訳ないという気持ちと共に、お見舞いのお言葉も沢山頂いてしまい本当に有難いという感謝の気持ちもいっぱいです。
サイトを開設して1年ちょっと。
その間にこれだけの多くの方々と小説を通して繋がりを頂いているのだと、本当に感謝の気持ち、そして感激の気持ちで溢れてます。
お見舞いメール等に関して今回もレスはいらないですよという方々のお言葉に甘え、ここでまとめての御礼とさせていただきます。
ご心配頂きありがとうございました。
これからもまた書いてゆきますのでどうぞ宜しくお願い致します。

今回は風邪だけでなく蓄膿症まで併発してしまってこの一ヶ月お薬漬けでした。
鼻炎は元々起こしやすい方で、喉も弱いんですが蓄膿症と診断されたのは初めてで…。
歩いても階段下りてもご飯食べても頭は痛いし歯が痛い…。
咳は出るしあちこち痛いしだるいし、薬は眠いし…。
今回初めて知ったんですが蓄膿の場合市販の鼻炎薬はただ悪化させるだけで効果はない、ということでして(汗)
病院に行けなかった私は『悪化…させっちゃったんだ…』と行きつけの先生にもらし苦笑されてしまいました。
流石に今回はきちんと治しておこうと、1ヶ月もの間お休みさせて頂いてました。
お陰でほぼ完治です。
でも蓄膿は癖になるみたいなので気を付けたいと思います。
おかしいと思ったらまず病院ですね、ほんと。

で、今回久しぶりの更新に選んだのは夫婦騒動録です。
途中まで書いていたというのもありますが。
ですが、内容を変更しちょいとばかし書き直した上でのお届けとしました。
以前の皆様のご期待にちょっとですが応えて…見たんですけど、どうでしょう?
かなり甘く仕立てたつもりです。
お気に召して頂けると嬉しいです。
一応今回で【別宅編】は終了で、次からは【新婚編】に入りたいと思ってますから、ひとつの区切り…ですかね??
(区切りになるのかな…)

それでは久しぶりの更新は右下からどうぞ。

 

 


「小太刀を、取って頂いても宜しいですか?」

 土方の膝の上で後ろから抱きしめられたまま千鶴が言うので、土方は手を延ばし側に置いてあったそれを取った。

「小太刀をどうすんだ?」
「貸して下さい」

 土方から小太刀を受け取った千鶴は自分を落ち着かせるために小さく息を吐いた後、かちりと鯉口を切り横に引いた。
 鞘からほんの少し刀身を見せた小太刀が部屋の灯火を反射し橙色に光る。

「千鶴っ!?」
「これがっ………これが私がお話ししていない事と関係するんです。だから……見ていて…下さい」

 指先を刃先の上に乗せた千鶴に土方が慌てた声を発したがそれを彼女自身が制した。
 土方が訝しがりながらも見守る中で千鶴はその白い指先に赤い線を引く様に傷をつける。

「…自分を傷付ける事のどこに隠し事があるってんだ」
「私は…幼い頃、自分の体質が普通ではない事に気が付いていませんでした。皆そうであるのだと…思ってました」
「体質?…どういうこった?」

 千鶴は勝手場でとった行動と同じ事をする。
 血の滲む指先を咥え傷口に舌を当てて傷が殆ど癒えかけている事を確認し、それを口から出した。

「見て…下さい」

 促された土方は千鶴の手を取るとその指先を見詰めた。
 そこに違和感を感じた土方は自分の親指の腹で傷があった場所をそっと擦る。

「傷が…ねぇ?」
「まだ父様が人と係わる事を厳しく禁じなかった頃、私は年の近い子達と河原に遊びに行ったんです。足場の悪い河原で…私は躓いて転んでしまいました。その時膝に深い怪我を負ったのですが見る見る治っていくその傷を見て…他の子達は…そんな私を見て化け物だって…」

 その時の事を思い出したのか、千鶴が辛そうに声を震わせる。

「そのことは子供達の口から親へと伝わり…私達の住んでいた小さな集落に広がるには時間はそうかからなかったんです」
「……」
「…その時初めて私が異質な者であるのだと気付きました。私の所為でそこに住めなくなり集落を出た後はひたすら南下して、父様と二人江戸に辿り着いたのですが…その頃にはもう父様は私が人と係わる事をとても酷く嫌がって…厳しく禁じたんです」

 江戸には友人はいないと言った千鶴の言葉を思い出した土方は小さく息を吐く。
 これ程に気立てが良く心優しい娘に友人がいないというのはいくらなんでも不自然だったが、漸く合点がいった。

「鋼道さんはその体質について何も言ってなかったのか?」
「…はい。ただ、お前は悪くないとそればかりで…でも…私は…自分が分からない事が……こ、わい…」
「千鶴」
「でもっ私は…わ、たしはっっ」
「…千鶴、お前が俺に隠しているってぇのはそれだけか?」
「と…しぞぉさん?」
「他は?」

 思っていたよりもずっとずっと優しい声で尋ねられ、千鶴は土方の腕の中で首を横に振った。
 その行動に今度は深い溜め息を吐く土方。
 千鶴はそれにビクリと身体を震わせるが、それを静めるように彼の腕がより強く千鶴を抱きしめた。

「ったく、驚かせやがって」
「………え?」
「実は許婚がいるんだとか、俺じゃなく他の幹部の元に嫁ぎてぇとかそんな事かと思っちまったじゃねぇか」
「ふ…ぇ?」
「傷が治る事のどこが悪ぃんだ」
「でも…」
「治る速度なんざ人それぞれだろうが」
「で…も…」
「痛ぇのが短くて済むんならそれに越した事はねぇ、違うか?」
「ふ…うぅ」
「だがな」

 俯きかけていた千鶴の顎に手をかけて、そっと上を向かせると涙に揺れるその瞳をじっと見詰める。
 そして言い聞かせるように、

「自分で自分に傷を付ける様な真似は二度とやるんじゃねぇ」

 嗚咽に震えるその唇にそっと自分のそれを重ねた。

「治るのが早かろうが、傷を負った時の痛みは変わらねぇんだろ」
「は…い…。痛い…です…」

 千鶴がそう言えば、溢れ出した涙を拭う様に目尻に唇を寄せる。

「俺はな、お前が傷付くのを見たくねぇ」
「歳三…さんっ」

 宥める様に額へ頬へ口付けを落とし、

「私はっ化け物じゃないっ…でっ…んっ」

 半ば叫ぶ様に言った千鶴の唇を今度は強く塞いだ。
 角度を変えながらも何度も何度も口付けを交わすうちに、二人は敷いていた布団の上へ先程と同じ体勢で倒れこむ。

「とし…ふぅ、んっ」

 言葉を発する暇も与えられない千鶴の息は直ぐに上がり、その頬も赤く色づいてゆく。

「いいか千鶴」

 投げ出された千鶴の細い指先に土方が自分の指を絡ませ、布団の上に縫いとめる。

「俺が惚れたのは千鶴、お前だ」
「としぞぉさぁんっ」
「他の誰でもねぇ、お前なんだ千鶴」
「ふぇぇ…うわぁぁんっっ」
「俺の女房はお前だ、千鶴。…千鶴、よく話してくれた」
「ううぅっふぅうっっ」
「誓ってやる。いいか千鶴よく聞け。後にも先にも俺が娶るのはお前だけだ。俺がお前を護ってやる」
「私っ歳三さんのっ」
「ん?」
「………奥さんでいていいんですか?」
「ばぁか」

 伺いを立てる千鶴の額に土方は自分の額をこつんとぶつける。

「お前こそ、本当に俺でいいのか?」
「歳三さんがいいっ。私は歳三さんがいいっ」
「……………千鶴…嫌なら嫌って拒め」
「…え?」

 自分を見下ろす土方の目元が少し赤くなっている事に気が付いた千鶴は、押し倒されたまま小さく首を傾げた。

「お前はまだ若ぇし、そんなに急ぐ事もねぇって思ってたんだけどよ…」

 合わせていた額を外し土方は千鶴の耳元に唇を寄せると、

「千鶴が、欲しい」

 そう告げる。
 囁くように言われた言葉に、ゾクリと恐怖ではない何かを感じた千鶴がその身を一瞬硬くする。

「嫌なら今言え。途中じゃ止めてやれねぇぞ」

 土方が、自分を欲しいといった。
 それがどういった感情なのか、千鶴には良く理解できなかった。
 だがそれは何か物が欲しいという様な物欲ではなく男女が情を交わすという意味合いである言葉なのだと、何となく感じ取ることができる。

「私…」
「俺はお前を大切にしたい」

 自分が普通と違うのだと告げてもそれでもなお受け入れてくれた男に求められている。
 それが自分にとって初恋の相手で、そして…夫である人なのだ。
 千鶴には拒む理由などなかった。

「私も…歳三さんが………欲しいです」

 千鶴にとってその口から出てきた言葉は自分を欲しいと言った土方に倣って答えただけなのだが、それに煽られた土方はぐっと言葉を詰まらせる。

「ったくお前は…」
「?」
「たいした女だよ。千鶴、大事に抱く」
「歳三さ…ん」
「愛してる」
「私も、愛してます」

 

 

 千鶴を嫁に娶ったらどうだと言われ、そこからお互いの気持ちに気が付きあれよあれよと言う間に婚姻を結び別宅まで手に入れてしまった。
 昨夜はそれどころではなかったが、

(そうか、ある意味今夜が俺達の初夜ってやつか)

 間違いなくこれが初めての行為であろう千鶴が、自分の下でその身体を苦しそうに撓らせながらも必死に土方を受け入れる様を見てますます愛おしさが込み上げて来るのを感じた。

「参ったな…」

 土方の零した言葉に気が付ける余裕など今の千鶴にはない。

「千鶴」

 だが、愛しさを込めて名を呼べばかろうじてその瞳が己の瞳と交わった。

「愛してる」

 想いを告げれば千鶴の瞳が嬉しそうに細められる。 
 今は言葉は返って来なくともそれだけで十分だ。

「幸せにする。だからお前も…」

 俺に幸せをくれよな、その言葉に千鶴の瞳から涙がこぼれた。


 二人の新居を手にしたその夜。
 土方は愛おしく咲く可憐な花を、出来るだけ優しく大切に手折り、自分の腕の中へと閉じ込めた。

 

 

「ん…」

 初夜の行為を終えた土方が目を覚ましたのはまだ夜も明けきらぬ時間帯だった。
 行灯の消えた部屋の中は暗い。
 だが、その腕に抱くぬくもりはしっかりと伝わってくる。

「無理…させたな……させたよなぁ…」

 何となく自己嫌悪に陥りながらも、彼女の身体が冷えぬ様にと布団を引き上げた。
 規則正しく聞こえてくる寝息に思わず頬が弛む。
 もう少し自分も眠ろうと千鶴を抱え直そうとしたのだがふと思い出し、動きを止める。
 昨夜、気を失う様に眠ってしまった千鶴の身体を清めてやり、一応寝巻きも着せてやった。
 その時は(自分でも驚いたのだが)彼女の白い身体に鬱血の後があちらこちらに散りばめられていた。
 妻の明かした秘密によれば傷などは直ぐに治ってしまう様で。
 では自分が残した独占欲の強さを表すかの様な情の痕はどうなったのだろうかと、気になった。

「…出かけるってぇ言ってたしな。首元は避けたつもりだったが…」

 胸元やその下の方には結構…痕を付けていた。
 そっと引き上げていた布団をめくり、覗ける程度に眠る千鶴の襟元を開く。
 何やってんだと言う心の葛藤と共に視線を下げれば、そこに見えるのは白く絹の様な触り心地であった妻の素肌。 
 そこには昨夜の痕はなかった。

「……一晩も経たずに消えんのか…」

 怪我をしても早く治るのであればそれに越した事はないと思う気持ちは変わらない。
 千鶴が千鶴であり、己の傍に寄り添ってくれるのであれば大した問題ではないのだが。
 だが、男としては面白くないモノもあると言うのが今の土方の心情だ。
 元来人一倍負けず嫌いでもある土方。
 消えてしまった痕が何となく悔しくて、自然と、躊躇う事もなくその白い肌に唇を寄せた。

「…ぅん…」

 ひんやりとした空気に何かが触れる感触。
 流石に千鶴も目を覚ます。
 頭がぼんやりとしているが、その少し開いた視線の先には黒い頭が映っていた。

「土方…さん?」

 思わず口にしたのは、数日前まで使っていた呼び方で。

「違うだろうが」
「……………歳三さん…」
「ん?」
「ん…って………何…なさってるんですか?」

 覚醒しきっていない頭で彼の行動を把握するのは難しい。
 それでも何度目かのそのチクリとした感触で、寝ぼけ眼もバッチリと開き頭も冴え渡る。

「とっとととっ歳三さん!?」
「動くな」
「うごっううっ動くなって、何してっっ」
「痕を付けてる」
「は??」
「だから、俺のモンってぇ印を付けてる」
「は?は??」

 そう言う土方が唇を何度も寄せているのは自分の胸元だ。

「と、歳三さんっ?何で、ええ?な…えぇ??」

 夫の行動の意味が分からない妻は慌てふためく。

「だから、どうも怪我だけじゃなくよ、お前の身体はこういった痕も綺麗に消えちまうらしい」
「あと?」
「俺のモンって印。ほれ、屯所で腕に付けて見せたろ」

 あれだあれ、と土方は言う。

「………はぁ…」
「消えんのは別にいい。……と思ったんだがよ」
「……」
「だが、何となく悔しい」
「くや…しい??」
「だから、だ。消えんだったら付けなおしゃあ良いってだけだろ、ん?」
「…そういうもので…じゃ、ないですよぉっ!!」
「あ、こら暴れんなって」

 土方の言葉とその行動に、昨夜の行為が蘇って来た千鶴は恥ずかしさのあまり土方の下でジタバタともがき出す。

「駄目です駄目ですっ」
「い・や・だ」
「嫌でも駄目ですってばぁ」
「お前だから俺の痕を残してぇって思うんだ。じっとしとけ」
「もっもぉおっ!歳三さんてばぁ!」
「観念しろ。お前はそんな男に嫁いで来たんだって」
「何開き直ってるんですか」
「これが俺だ」
「ううぅうっ」

 ぷくっと頬を膨らます千鶴を余所に土方が何度目かの口付けを胸元に落としたとき、千鶴の中の何かがぷつりと切れた。

「歳三さん」
「うん?」
「お顔、見せて下さい」
「んだよ、どうした?」

 悪びれた様子の欠片もない夫に、千鶴はにこりと笑う。

「どうせなら、ちゃんと唇に………口付けて欲しいです」

 まだ部屋の中は薄暗いが、妻の頬がほんのり赤いのであろう事は土方にも予想が付いた。
 口付けが欲しいと強請った千鶴が愛おしいと感じないはずがない今の土方は、仕方がねぇなと言いつつも嬉しそうに千鶴の胸元から顔を上げ彼女の顔の上まで戻ってくる。

「歳三さん」
「千鶴」
「………いい加減にして下さいね?」
「…は?」
「私だって怒りますよ。私だってっっ」
「うわっ!?お、おいっこら千鶴!?」

 ほっそりとした白い腕が土方の首にぎゅっと回される。
 突然の行動に驚きを隠せない土方の首筋に、巻きつけた腕に力を込めて上半身を起こした千鶴が……噛み付いた。

「馬鹿やろっ噛み付くんじゃねぇっ!」
「歳三さんばっかりずるいですっ!!んっ!」
「ちがっ!噛み付くんじゃなくて吸い付くんだっ!!って、何言ってんだ俺はっっ!!」
「私だって、私のものって付けたいのっ」
「ばっ…くっ、くすぐってぇよ」
「私は恥ずかしかったですっ」
「くっ、ちょっと待てこら千鶴」
「い・や・で・す!」
「んだと」
「もうしないってお約束して下さるなら、私も止めます」
「………」
「噛み付きますよ」
「……………今朝はもうしねぇ」
「………でしたら…いいです」

 今朝はと言った土方の言外に、何となくまた今夜にでもあれと同じ行為をやるのだろうという事を感じ取った千鶴は、土方の首に回していた腕の力を抜いてポスリと布団に落ちた。

「……身体は?」
「え?」
「だからっ…昨日は…初めてなのに無理させたからよ…辛くねぇか?」
「あ…えと…はい……大丈夫…みたいです…」

 あれだけお互いに痕を付けるのだと騒いでおきながら、今更ながらに何となく気まずくなる。
 障子の向こうが白みだしお互いの表情もしっかり見て取れるようになる。

「千鶴」
「歳三さん」

「「え?」」

 同時に互いの名を呼び、そして同時に驚く。
 そして視線を交わらせた後、自然と唇を重ねて。
 チュッという音を立ててゆっくり離れ、お互いに笑みを零す。


「お早う、千鶴」
「お早うございます、歳三さん」


 二人の新しい一日は、そんな笑顔から始まった。

 
 

続く

 


 

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