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と、仰るかもしれませんが……土方さんが別人です…。
というか、これもある意味暴走か??
そんな内容になってしまった夫婦騒動録6話目をお届けします。
甘々仕立てだと思います。
本当はもう少し早めにUPしたかったのですが、えと…随想録DS版をやってて…サボっておりました…。
3機種目なんですが、何度やっても楽しい。
…3機種目です、はい。
元々妹の買ったPSP版ではまったので、その後自分で買ったPS3版に今回のDS版。
特典が物凄くやばかったです、色々と。
タッチペンボイスはやば過ぎましたーーーっっ!!
土方さんももちろん良かったんですけど、その上を軽く行ったのが斎藤さんでした(笑)
最後のスチル(呼び方を変えて欲しいというあれ)の差分2枚目。
千鶴をタッチした時に聞ける斎藤さんの台詞がーーーっっ!
流石は斎藤さんです。
可愛かった☆
っと、私が暴走してしまいました。
小説は右下からどうぞ!
流れ落ちていた涙が止まっても、幾度となく土方は千鶴の目尻に唇を寄せる。
流石に恥ずかしくなってきた千鶴は、そっと両手で土方の胸板を押した。
「もう…止まり…ました」
「うん?そうか?」
真っ赤な千鶴の顔を見て、土方がふっと噴出す。
「土方さん?」
「目尻に口付けただけでそこまで真っ赤になるか?」
「―――っっ!」
「それならここに口付けたら、どうなんだろうな」
そう言った土方が親指でスッと千鶴の唇をなぞった。
大きな瞳を更にまん丸にする千鶴が、どうしようもなく可愛い。
(俺ぁ…意外と単純な生き物だったんだな)
気持ちの方向が変わっただけで、こうも目の前の娘に対する想いが変わるとは。
「千鶴?」
「………土方さんは…」
「なんだなんだ、またずるいってか?」
「…いじめっ子です」
「……俺は総司の兄貴分だからなぁ。性格が似てるのかもな」
「うっ」
「…否、今のは無しだ。言った自分がすげぇいやになった…」
「ひ…土方さん…」
本当に失言だったとばかりの前言撤回に千鶴が呆れたようにその名を呼び、そしてくすくすと笑い出した。
「お前なぁ」
「だって…土方さんのそんなお顔拝見するの初めてで、ふふっ」
「ったく。そうだ、千鶴」
「はい」
土方は抱きしめていた千鶴を解放すると、胡坐から正座へと居直り、背筋を伸ばした。
先程までのからかいや甘い雰囲気でなくなった事を察し、千鶴も同じ様に座り直す。
「さっきお互いを伴侶として意識できるかの期間を設けようって言った手前、ちと気恥ずかしいんだがよ」
「?」
「千鶴、否、雪村千鶴殿」
土方が両手を畳みに付け、千鶴の瞳を真剣な眼差しで見詰めた。
「は、はい」
「新選組副長土方歳三、謹んで求婚申し上げる。これより先、千鶴殿一人を生涯の伴侶とし、愛し守りこの想い曲がる事無く貫く事を新選組の誠の元に誓う」
真摯に告げられた正式な土方からの求婚。
期間をと言われていたので、まずは驚きが隠せなかった。
しかし土方の真剣な瞳を見詰めているうちにそれが実感へと変わり、喜びへと変わっていく。
返事を返さなければと思うが、言葉が上手く紡げない。
土方はそんな千鶴を分かってか、彼女が落ち着くまでじっと待った。
そして。
「私、雪村千鶴…は」
涙声になりながら千鶴は必死に言葉を紡ぎだし、
「土方様よりの求婚、謹んでお受け致します。至らぬ点多々あるかと思いますが、良き妻となれる様努力を惜しまず精進してまいりますので、不束者ではございますが末永くお側において下さいますようお願い申し上げます」
三つ指を突いて綺麗に頭を下げる。
その所作を見詰め土方は優しく、本当に優しく微笑んだ。
「千鶴」
「は…い」
「ったく、さっき止めたばっかじゃねぇか…泣き虫」
「すみませ…」
「謝んじゃねぇよ」
顔を上げた千鶴を、改めて土方が抱きしめた。
「千鶴」
「はいっ」
「好きだ」
「っ!…はい、私も、私も土方さんが大好きです」
千鶴、と彼女の頭に頬を寄せ、土方が甘い声で囁く。
「千鶴、婚姻を結ぼう。俺の妻になってくれ」
「土方さんっ、土方さんっ!」
千鶴の両腕が土方の背中に回りぎゅっと抱きついてくる。
「私を土方さんのお嫁さんにして下さいっ」
「ああ、宜しく頼む」
「宜しく…お願い致します」
一度強く抱きしめると、土方は千鶴をそっと離す。
どうしたのだろうと千鶴が彼を見上げると優しく微笑む土方と目が合う。
そっと頬を撫でられ、反射的に瞳を閉じた。
「―――!?」
温かい何かが唇に触れ、驚いて瞳を開ける。
すると先程よりももっと近くに土方の顔があった。
「新選組の土方としてじゃなく、俺は俺の意思で千鶴お前ぇを護る」
「……ひ…じか…たさ…」
「義務としてじゃなく、お前の家族として…鋼道さんを探す」
「土方さん!」
「けどよ、もし鋼道さんに…娘はやらんってぇ言われたら、駆け落ちでもしてみるか?」
「大丈夫です。だって…私が心から望んだ方ですから」
「ったく、可愛い事言いやがって…千鶴、もう一度…目を閉じろ」
土方の顔が寄って来るのと同時に、僅かにあった二人の距離もなくなってしまう。
自分の唇に重なった土方の唇が、温かい。
先程一瞬だけ感じたそれよりも、今度はずっと長い。
(私…土方さんに……口付けられてる)
途中、少しだけ離れて空気を取り込む。
初めての口付けで慣れているはずもない千鶴にとってはかなり苦しい行為だが、抗う力などもう出てこない。
何度も何度も唇を重ねているうちに、流石に意識が朦朧としてきた。
「ひじっ…んぅ………まっ……んっ」
言葉を発することさえままならず、嬉しさからではなく苦しさから生理的な涙が溢れ出す。
「ふぅ…んっ……くるしっ…」
「ん…わりぃ」
はっとした様に土方が、やっと千鶴の唇を解放した。
「ふっ…はぁ、ん…はぁ…」
「す、すまねぇ…」
苦しそうに喘ぐ千鶴の背を擦りながら大丈夫かと尋ねれば、息を切らせながら、少しとろんとした千鶴が見上げてきた。
「すみま…せ…。不慣れ…で……ふぅ…はぁ」
「慣れてても困る。…つか、本当にすまねぇ」
「少しずつ…上手になりますから…」
土方さんが教えて下さいねと、静かに告げると千鶴は土方の胸に顔を埋めた。
(頼むから…煽ってくれるな)
暴走しかけた自覚のある土方が切実に願う。
(俺もまだ青臭ぇっつーか…単純っつーか…)
今までに女性経験がないわけではない。
それなのにこの余裕の無さは何なんだと自問してしまう。
「千鶴」
「はい」
「千鶴」
「はい」
「千鶴…幸せにする」
「今でも十分です」
「もっとだ。だから」
「…だから?」
「千鶴も俺に幸せをくれ、もっと…な」
「頑張ります」
そう言った千鶴の顎に手をかけ上を向かせると、もう一度口付けを落とす。
千鶴の息が切れぬ程度の長さで離れると、
「取り敢えず飯食いに戻るか」
腹減ったろ?と続けて、土方は立ち上がった。
「…立てるか?」
「えと…はい、立てます」
土方の手を借りて立ち上がった千鶴だが、
「あ…れ?」
立ち上がったとたんにふらつき、そのままポスンと土方の腕に倒れこんだ。
「足に…力が…?」
「…すまねぇ…」
「え?」
「落ち着くまでもう少し、こうしておこう」
「落ちつ…え…私?」
「さっきので…腰抜かしてたみてぇだな」
「さっき?」
きょとんと自分を見上げてくる千鶴に土方は苦笑を漏らす。
そして、そっと彼女の唇をなぞってやり、
「俺との口付けは、そんなに気持ちよかったか?」
と、わざと腰を屈め耳元で言ってみる。
「きっ気持ち良いって、え、えぇぇぇっっ!?」
千鶴の反応に土方が肩を揺らして笑い出す。
「も、もうっ!土方さんっっ!!」
「悪ぃ悪ぃ。でもよ、千鶴」
「…何ですか?」
「こっちの面も少しずつ慣れてくれ、本当に」
「で…ですから…」
「ん?」
「土方さんが…教えて下さいと……申し上げたじゃない―――んっ!」
(すまねぇ、本当にすまねぇ…だがよ)
強く口付けたまま、千鶴の柔らかい唇を食むように堪能しながら土方は思う。
(今のは絶てぇお前が悪ぃんだからな!)
本当に餓鬼くせぇと頭の隅で思いながらも、今しばらくは千鶴を放してやれそうにないなと。
千鶴が息継ぎし易いよう口付けながら思う土方だった。
続く