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【和花】 なごみばなと読んで頂けると嬉しいです。 乙女ゲーム系二次小説オンリーサイトです。
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間隔が開かずの更新が続いております。
…あまり外出していないだけなんです、が…。

『R』を付けないで大丈夫な内容となっております(苦笑)
どういう意味かは右下からの物語を読んでやってください(笑)


 

 


 広間で暫く騒いだ後は土方の自室で千鶴が準備した遅めの夕餉を二人で取り、やはり彼女の淹れた茶で一服する。

「皆さんが…おめでとうと言って下さったので、嬉しかったです」

 土方の正面に座っていた千鶴がそう言うと、

「暫くはからかわれそうだが、反対されるよかマシだな」

 そう言って土方が笑った。
 今日だけでどれだけ彼の笑顔を見ただろうかと、そう思うだけでも幸せな気持ちになる。

「そうだ、婚姻の届けだけどよ。近藤さんが奉行所の方に提出してくれる事になった。ま、ここは組の長である局長に頼むべきだろうから任せておく」
「………」
「千鶴?」
「いえ、改めて何だかすごい事になっているような気が…」
「何だ実感がねぇか?」
「…はい」
「ま、俺もそうだけどな」

 また一口お茶を啜りながら土方が言う。

「けどよ、普段からお前は俺の身の回りの世話してくれてるじゃねぇか」
「一応…お小姓のつもりですので」
「今までは主人と小姓だった関係が、夫婦に代わるだけだ」

(まぁ…そこが重要つーか最大の変化どころなんだけどよ)

「さっき近藤さんが言ってたが」
「はい?」
「明日は折角休みを貰った事だし、別宅を見に行ってみるか」
「それなんですけど…」
「ん?」
「ほ、本当に宜しいのでしょうか?」
「何だ、千鶴。逃げんのか?」
「べっ別に逃げたいなんて思ってません!でも…格安と仰っても…高価なお買い物でしょう?」
「だけどここで突っぱねたら、近藤さん洒落にならねぇくらい…落ち込むぜ?」
「……………ですよね…」
「だからよ、こうなったら開き直ってありがたく頂いちまおう」
「…でもどうやってその恩をお返しすれば…」
「なぁに、やや子でも作ってそいつを抱かせてやりゃそれが恩返しに繋がるさ」
「そうですねやや子を作って……や、やや子ーーーっ!?」
「……あのな…夫婦っつーのをどういう関係だって思ってんだよ…」
「え、あのっ…そ、それはっ…その…」

 今日だけでどれだけ彼女の驚いた顔を見ただろうかと、そう思うだけでも幸せな気持ちになる。
 こんなにも表情のある娘だったのだと。
 だがそんな気持ちと同時に、それをからかってやりたくなるのも仕方がないと思って欲しい。
 ころころと表情を変える千鶴が、本当に可愛い。

「お前も医者の娘だ」

 千鶴との距離をズイッと一気に縮め、その肩と背中に手を添えると驚いた様子の彼女をそのまま押し倒した。

「ひ…じかたさん?」

 千鶴の小さく細い指と己の指絡める様にして畳に押し付ける。
 そのまま覆いかぶさる様に千鶴の身体に影を作った。
  
「千鶴」

 囁く様な、それでいて逃げ場を奪ってしまう甘い声で千鶴の名を呼べば、びくんと身体を震わせて千鶴が固まった。

「やや子の作り方くらい知ってるな?」
「ひじ…かたさん……ひゃあっ」

 顔を近付けて来た土方が首筋に顔を埋め、そこを嘗めてきたのだ。

「やっ、土方さっ…土方さん!」
「千鶴」
「だめっです!―――やっ」

 先程の口付けも余裕なんてなかった。
 けれど余裕がなかった分強く意識するまでには至らなかった。
 今は違う。
 自分の名を耳元で囁く土方の声。
 土方の長い髪が自分の頬に触れる度にゾクリとした感覚が身体を走る。
 首筋には熱い吐息がかかり、生暖かな感触もある。
 絡まった指先は抗いようも無く畳みに押し付けられ、縫い止められているみたいに動かない。
 先程なんかよりも、ずっとずっと二人の距離が近いと錯覚を起こしそうになる。
 否、錯覚ではない事実そうなのかもしれない。

「土方さん…ひじかたさ…ぁんっ…ふぇ…あ、やっ…やですっ!」

 土方のもう片方の手が千鶴の腰辺りに触れている。
 それは何か意図を持って動いていて。

「やぁっ…ひっひじかたさっっ、やあっ、ひゃあ」
「わりぃ」
「ふっ…ふぇ?あっ、あっやっやぁ!」

 千鶴が一際大きな声を上げたその時。

  スパーーンッ

 と、勢いよく襖戸が開け放たれ、

「土方さんっっ!いっいくら夫婦になるって決まったからって、嫌がる千鶴に無体を働くのは局中法度にっ」

 真っ赤な顔の藤堂が顔を横に背けたままそこに立っていた。
 その後ろにはどうやら永倉や原田達も居るようだが。

「へっ平助く…あっや、ですっや…あ、あははっひ、土方さんっ」
「……ん?」
「やぁっ、土方さんっや、あははっ、ひゃぁくっくすぐったいですっ」
「ん…んんっ??」
「平助」

 にやりと笑って土方が藤堂に尋ねる。

「局中法度がなんだって?」
 
 土方の言葉に藤堂が恐る恐る部屋の中の方に顔を向けると、そこには押し倒された千鶴が土方によって…くすぐられていた。
 涙目の千鶴がこちらを見ている。

「もっもう!土方さんっいきなり何なんですか!!」

 土方に絡み取られていた手をやっとの事で解く。

「ち、千鶴?」
「平助君…酷いんだよ、土方さん…急にくすぐってくるんだもの」
「くすぐる…?」
「……うん」
「くす…ぐる……手、手篭めにされかけた…んじゃ?」

 冷や汗をだらだらと掻きながら藤堂は土方の顔を見た。
 自分の下から這い出てきた千鶴の肩に手を置いたその男は、何ともしてやったりな表情でこちらを見ていたが。

「局中法度がなんだって?」

 先程と同じ言葉を告げ、すうっと息を吸い込んだ後の土方は…怖かった。

「新八っ左之助っ平助ぇっ!人の部屋に聞き耳立ててんじゃねぇっ」

 土方がよく通るその声で怒鳴る。
 怒鳴った内容に、千鶴がきょとんとなった。

「き、聞き耳?」 
「それから縁側の総司、斎藤ってめぇらもだっっ!どこの小舅だお前達はっっ」
「さ、斎藤さんもですか??」

 永倉・原田・藤堂の3人と沖田ならばやりそうな事ではあるが、まさか斎藤もなのかと千鶴は驚きを隠せない。
 先程、土方に押し倒され、畳に押し付けられた時は所謂夫婦の夜の営みというものに事が進むのではないかと、本気で思った。
 しかし、土方の手が自分の腰でくすぐる様に動き出し『わりぃ』と告げた頃からその考えは吹き飛んでしまった。
 土方は気付いていたのだろう。
 土方たちの様子をこっそり窺いに来た小舅連…もとい、新選組幹部連に。

「だから止めとけって言ったじゃねぇか」
「左之っお前だって付いて来てんじゃねぇかっ」

 固まっている藤堂の後方で原田と永倉の言い争う声がする。

「お、俺は聞き耳を立てるつもりでは…」
「何言ってんの一君。そもそもここにいる時点で何言っても同罪なんだよ」

 ねぇ、と言いながら縁側の方の障子戸を開き沖田が姿を見せる。

「そう思わない?千鶴ちゃん」
「お…沖田さん…斎藤…さん…」

 沖田の後ろには斎藤も、そして…。

「こ…んどうさん?」

 千鶴の口から零れた名前に土方は両手を畳みに付いて項垂れたい気持ちになってしまった。

「近藤さん…あんたまで何やってんだよっ。つか、頼むから止める側になってくれっっ!!」
「いやぁすまんすまん、つい気になってだな!」
「だな、じゃねぇよっっ!!」

 懇願する様な言い方の土方に、

「でも感謝して下さいよ、隊規に背き掛けたのを阻止してあげたんですから」

 いつの間にか側に来ていた沖田がそう言いながら千鶴の着物の襟をくいっと引っ張った。

「きゃあっ!?な、何ですか沖田さんっ??」
「ねぇ」

 意味深な言葉に土方は千鶴とその側にいる沖田から顔を背けた、が。

「ってちょっと待て。総司てめぇ千鶴から離れろっ!」

 千鶴の襟を掴んでいた沖田の手を払い、

「こいつは俺んだ、触んな」

 そう言いながら千鶴の乱れた着物の襟を直し、グイッと自分の腕の中に引き込んだ。
 一連の動作はあっという間で、千鶴は何の反応も出来ないまま土方の胸に頬を当てる。

「やだなぁ土方さんってば、もう千鶴ちゃんの旦那気取りですか?しかも独占欲丸出し」
「総司っ」
「あんまりしつこい男は嫌われちゃうんだって知ってます?ねぇ千鶴ちゃん」
「え、ええっ?」
「そーうーじーーーっっ」
「鬼の副長が本当に鬼になってますよ?」

 土方の握り拳がぐぐっと強く握り締められた時。

「こらこら総司、そうからかうんじゃない。さあ皆もそろそろ本当に御開きにしよう」 

 パンパンと手を打って近藤がそう言い歩いて行く。

「はぁーい」

 クスッと笑って沖田は部屋から出て近藤の後を小走りで追いかけた。

「申し訳ありませんでした、副長」

 斎藤も頭を下げ障子戸を閉めるとその場を離れていく。

「くうっ、本当に羨まし過ぎるぜ…おら、平助虚しくなる前に撤退だ」

 固まったままの藤堂の後ろ襟を引っ張り永倉も退散する。
 残った原田が顔を見せた。

「ま、気持ちは分かるけどよ、見える所は避けてやんなきゃ、千鶴みたいな娘にゃ刺激が強すぎるぜ土方さん」
「うるせぇよ」
「良かったな、千鶴。幸せになれ」
「あ…りがとうございます」
「んじゃおやすみ」

 それだけ言うと原田も襖を閉めて離れていった。 

「はぁ」

 土方が大きな溜め息を吐く。
 千鶴はそんな土方を見上げた。

「土方さん」
「ん」
「見えるって…なんですか?」
「………手、出してみろ」
「手…?」

 首を傾げながら手を差し出す。
 その手を握り空いている手で袖をまくる。

「あ、あのっ?」
「黙ってろ」
「土方さんっっ!?」

 袖をまくり露になった白い千鶴の二の腕に土方が唇を寄せる。
 ちくりと僅かな痛みを感じるのと同時にチュッと音を立てて土方の唇が放れていった。

「??」

 土方が口付けた場所には紅い花弁の様な痕が出来ている。

「惚れた女に男が付けたがるもんだ」
「え…?」

 首筋に触れながら土方がいう。

「この女は俺のモンだって所有の証だ。手ぇ出したら唯じゃおかねぇぞってな」
 
 普通は夜、褥の上で付けるもんだがな、と意地悪っぽく笑って見せれば、

「―――っっ!!!」

 真っ赤になった千鶴は言葉も出てこないままいつまでも口をパクパクさせていた。

 

 

 続く

 

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